【藤高酒店】50女のひとり呑みレビュー!北九州の角打ちでモーセの海が割れた?

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呑兵衛を自称する人なら、「角打ちでちょっと一杯やる」というのは魅惑的なシチュエーションですよね。

「角打ち(かくうち)」とは、酒屋さんの一角で売り物のお酒を吞める、ありがたいシステムです。
そんな角打ちの発祥の地は北九州と言われているんですよ。

わたしも、その憧れの地でいつか一杯やりたいと切望していました。

そこで、2026年4月に行った12泊13日の九州一周キャンピングカー旅の「ゴール」は、北九州の角打ちでひとり打ち上げに決定!

中でも、憧れていたのが大正時代から続く老舗「藤高酒店」。

どっしりとした硬派な店構えと、柔らかく優しい女将さんの笑顔が魅力のお店。
地元の常連客がカウンターにひしめき合い、ゆるやかな時間が流れる。

そんな大人のワンダーランドで、50オンナがひとり呑みを楽しんできました。

目次

わたしが角打ちにハマった理由は盛岡「細重酒店」

まず、「角打ち」とは何?という方のために説明しておきますね。

角打ちは「かくうち」と読みます。

もともとは升の角に口を付けて飲むことを「角打ち」と呼んでいました。

しかし現在は、酒屋の一角を飲酒スペースとして仕切って立ち飲みすることを指します。

さらに、酒屋での立ち呑みに限らず、立ち呑み居酒屋で酒を飲むことを角打ちと呼ぶ場合もあり、広い意味で用いられています。

引用元:https://magazine.asahi-shuzo.co.jp/


そもそもの「角」の由来が「升の角」とは、わたしも初めて知りました。

藤高商店の話をする前にちょっと余談になりますが、もともとわたしが角打ちにハマったきっかけは、2018年2月に訪れた岩手県の細重(ほそじゅう)酒店なんです。

雑誌で写真で惹かれて「いつか訪れてみたい」と思い、盛岡町家が数多く残る盛岡市鉈屋町へ出向きました。

慣れない雪道をつるつるスッテン滑って転んで(笑)たどりついた先には、歴史を感じさせる建物が。

昭和の映画に登場しそうな建物です


なんと創業は江戸時代(寛政年間)で、こちらの建物は築130年だそう(よく大雪に耐えてきたよね)

お酒や駄菓子が並ぶお店内を抜けて奥の暖簾をくぐると、土間に一枚板のテーブルが。
そこには、地元のおじいちゃんたちが4、5人。
丸い大きなストーブにあたりながら、赤い顔してニコニコお酒を吞んでいました。

当時のわたしは、すでに50歳だったけど初めての経験!

さまんさ

「こんなオトナのワンダーランドがあるのかーーーー!」


とおじいちゃんたちの輪に混ぜてもらって、チビチビ日本酒を飲みながら、もっと角打ちを知りたいってワクワクしたんだよね。

女将さんお元気かな(さまんさの髪がまだ黒い!)

それ以来、「角打ち」はわたしにとっての「ご当地ディズ〇ーランド」!(笑)

どこかの街に遠征にいくときは「〇〇市 角打ち」と検索するクセがつくぐらいハマったのでした。

「藤高酒店」50オンナ呑兵衛レビュー!北九州でモーセの海割れ?

こちらはよく行く地元の角打ちです

角打ち発祥の地・北九州「藤高酒店」へ初詣?

角打ちの魅力は、酒屋さんがやってるから、お酒の値段は原価に近くリーズナブルということ。
店内の冷蔵庫から自分でお酒を選び、お店の人に申告する。その感じが大人でいいのよね。

地元の呑兵衛たちが、仕事終わりに毎日のように集う社交場でちょっと一杯(いや、二杯、三杯)とひっかけて、家にはかあちゃんがつくった晩御飯があるから、つまみはすこしでいい。

いつものメンツと「おぅ!」って顔を合わせて、今日のできごとを語り、さっと帰る。

そんなユルくて粋な空気を、拝ませていただく。

わたしにとって、角打ちに吞みにいくのは「詣で」なのです。

んで、そんな角打ちの発祥の地といわれているのが、北九州。

「八幡製鉄所に交代制でつとめる人たちが、朝でも夕方でも呑める場所を」という理由で、角打ちの文化が生まれたんだって。

そこで、4月にキャンピングカーで行った12泊の九州旅の最終日は、北九州で本場の角打ちに詣でると決めていた。

じつは「藤高酒店」は敬愛する呑兵衛・塩見なゆさんが「マツコの知らない世界」で紹介されているのを見て、「あーーー!いつか、ここに詣でたい」と熱望リストに入れていたのです。

50オンナ呑兵衛レポート!カウンターでモーセの海割れ?

じつは小倉あたりにも渋い角打ちは山ほどあるのですが、悲しいかな何件もめぐれる時間はない。
であれば、やはり藤高酒店をめざしたい。

そこで、小倉から7キロほど西の戸畑駅近くのコインパーキング(宿)にキャンピングカーを停めました。

渋い店内で浮かないように、持ってきた中でいちばん地味な服に着替えて(笑)、夕方5時半、いざ出陣。
徒歩10分ほどで、角打ちの発祥のきっかけとなった八幡製鉄所の戸畑西門前に堂々と構えるお店が見えてきました。

(↓昼間の外観を取り忘れたのでXの投稿をお借りしました)

外観からして、硬派な匂いがプンプン漂う建物は、なんと大正時代に建てられたそう。

お店の入口は道路に面したガラス張りの引き戸なので、外からも中の様子は見える。
そういう意味では、入りやすい…のだが。

まだ明るいのに、すでにカウンターは7割ほど埋まり、店の外まで漏れてくるワイワイと楽しそうな声。

そして、コの字カウンターに並ぶ背中は、どれも地元の常連のおっちゃんたちという感じ。
たまたまかもだけど、女子はひとりもおらんのです。

この常連びっしり感は、自称「50代おひとりさま吞みのプロ」を名乗るわたしも、ちょっと腰が引ける近寄り難さがありました。

正直に告白すると、いちどは引き戸を開ける勇気が奮えず、お店の前を通り過ぎたぐらい。笑

「さまんささんは、ひとり呑みできてスゴイですよね」って感心されるけど、わたしだって初めてのお店、とりわけ地元民御用達のお店はキンチョーするのだよ。

でも、藤高酒店で吞むためにわざわざ戸畑まで来たんだし。もう後戻りはできない。

お店の前を3往復目に思い切って、引き戸を開けました。

ガラガラーっと思った以上の大きな音と、おかみさんの「いらっしゃい」という声に、おっちゃんたちの視線がいっせいにコチラに注がれた。痛い…。

そして、ほんの一瞬しーんと静まり返り(ようにわたしは感じた)、カウンタの正面に人ひとり入れるぐらいの隙間がささささーっと空いたのです。

そうあの伝説の、モーセの目の前の海がパッカーンと割れたように(ほんとかいな。笑)

わたしは、その隙間にすかさずカラダを滑らせる。

第一関門突破。
ここまできたら、流れに身を任せるのみだ。

あらためて店内を眺めてみると、年季の入ったコの字カウンターの前には、ほかほかの湯気がただようおでんの鍋や素朴で美味しそうなお惣菜が並んでいる。

(わぁ…美味しそう。早く吞みたい)と心の声が漏れる。

しかし、ここで、油断は禁物。わたしの勝手な吞み屋流儀を守るべし、なのである。

  • 一見の店ではすぐに注文せず、女将さんから声がかかるのを待つ
  • 隣のお客さんを見て、瞬時にビールは生があるか瓶だけなのかを見極める
  • 女将さんの手間を省くため酒といっしょに注文するつまみも決めておく
  • 気やすく常連さんに話しかけない、話しかけられるのを待つ


幸いなことに、女将さんがすぐに声をかけてくれて、無事に初回の注文が完了。

目の前に赤星と熱々のおでんが並ぶ。至福の光景だ。

おでんはシミシミの熱々で、冷たい赤星と相性バツグン。
ふだんはそこまで食べないのに、酒場に行くとおでんが無性に食べたくなるのはなぜでしょうね。笑

ちなみに、こういう地元の人たちが愛するお店では、もし自分が招かざる客だというアウェイ感を察知したら、すぐに退散すると心に決めている。

つまりは、100%「お邪魔」させてもらうスタンスなのだ。

しかし、その心配は無用だった。
しばらく、赤星をちびちびやってると「どこから来たの?」とニコニコと女将さんが話しかけてくれた。

さまんさ「愛知県からです」
女将さん「飛行機?フェリー?」
さまんさ「いえ、キャンピングカーで犬と旅してるんです」

と答えると、「えーーー?車で来たの?」とびっくりする女将さん。

さらに、

「ねぇねぇ、この方、キャンピングカーで愛知から来たんだって!!」

と、わたしの左隣のいかにも熟練の常連さんグループに話を振ってくれる。

よそ者のわたしを優しく受け入れてくれる、女将さんの見事なファシリテートのおかげで、常連さんたちとスムーズに会話が始められた。ありがたい。

右端にチラリと写るのが優しい女将さん

そして、モーゼの割れ目がすこしずつ埋まっていく。笑
話してみると、じつはみんなシャイなだけで、観光客や一見さんにもとてもやさしい人たちでした。

カウンターの左端は常連さんグループの指定席のようで、ヒロシさん(お名前を失念したので仮名)たちは、もう50年以上、毎日通っているとか。

宿を聞かれて、「今夜は近所のコインパーキング泊なんですよ」って答えると、

「うち、すぐそこだから、うちの駐車場に停めればいいよ」

って言ってくれるヒロシさん。

「いやいや、もう飲んじゃってるから~」って丁重にお断りして、みんなで大笑い。

あまり写真は撮ってないんだけど作り物じゃない昭和レトロでした

お隣の若い常連さん2人組は、警察官の方。
(2日前の別のお店のお隣は自衛官でした。笑)

街の治安を守るのも大変だけど、夫婦の治安を保つのも大変だって。
かっぱえびせんをごちそうになっておしゃべりしながら、楽しいひとときをありがとうございました。

酒場の魅力は、一期一会。

家族でも友達でもない、偶然の隣り合わせた人と一生のうちの数時間をいっしょに過ごせるのも、ひとつのご縁だよね。

7時過ぎにはすっかりお客さんの波も引いて、静けさが訪れる。
みんなお家で晩酌の続きをするんだろうな。

女将さんにお手洗いの場所を尋ねると、お店の奥の母屋に通された。

靴を脱いで高齢のお母さんがテレビを観てる居間を「おじゃましまーす」とそっと通り抜けてお借りする。
子供の頃、親戚のお家に遊びにいったときを思い出して、なんだか懐かしい気持ちになりました。

あとで聞いて知ったのだけど、じつは藤高酒店はテレビや雑誌でもたびたび紹介されているそう。

雑誌「anan」にも掲載されたので、若い女性もけっこう訪れるということ。

藤高酒店にもananが!

長年、常連さんの喉を潤し続けてきた硬派な老舗ではありながら、よそモノ50オンナの呑兵衛も、こころよく迎えてくれる懐の深い酒場でありました。

ぶっちゃけ入るのに勇気はいるけれど、みんな優しいから女性ひとりでもだいじょうぶ!

ぜひ、いちどモーゼの海割れを体験しにいってみてください。笑

藤高酒店へのアクセス

店名
藤高酒店
住所
福岡県北九州市戸畑区元宮町4-15
営業時間
営業時間:15:00〜20:00
定休日:日曜・祝日(祝日は要確認)
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